自閉症の森

自閉症

みなさんは自閉症という障害を知っていますか?名前だけは新聞やテレビ、本など色んなところで見聞きするようになりました。でも、自閉症について正しく理解している人は、たぶん少ないでしょう。ここでは一人でも多くの人がきちんと理解してくれるように願いながら、自閉症について紹介します。

自閉症って、病気?障害?

自閉症は病気というよりも、障害といったほうが正しいでしょう。別に寝たきりとか毎日医師の診察が必要とか、そういうものではありません。自閉症は生まれつきの脳障害です。自閉症との合併症でさまざまな病気をもつことはありますが、自閉症自体は発達障害の一つなので、外見は健常の人と比べてもあまり変わりはありません。これが周囲の人になかなか分かってもらえない原因といえます。自閉症の人にとって普通にしゃべることや人・物事に適切に対応することは、決して簡単なことではありません。自閉症についてのもっと詳しいことは「自閉症って?」のページで紹介しているので、そちらをご覧になってくださいね。

≫詳しくはこちら

自閉症の歴史

1943年、アメリカの自動精神科医のレオ・カナーが「情緒的接触の自閉的障害」という論文で初めて、その言葉を使ったことが始まりとされています。彼はこの論文を書くために観察した子供は、みんな一人でいるのが好きでした。さらにコミュニケーションや対人関係の障害、興味の異常などの症状が見られたのです。以前はこれらの症状がある子供たちは、統合失調症だと診断されていました。カナーが発見した自閉症はのちに低機能自閉症(カナー症候群)と名付けられました。一年後の1944年にはオーストリアの小児科医ハンス・アスペルガーが低機能自閉症よりは軽度の症状を報告しました。この子供たちは言葉には遅れがないけれど、対人関係に問題をかかえていて、興味がかたよっているため、おかしな会話になってしまいます。この症状は「アスペルガー症候群」と呼ばれ、高機能自閉症ということになります。高機能自閉症は1981年にイギリスの女医ローナ・ウィングがアスペルガーの論文を英語に訳して発表しました。それで英語圏にも高機能自閉症が広く知れ渡るようになりました。ただ、自閉症の原因については1960年代頃までは生まれつきのものではなく生後、何らかの原因で起こる障害と思われていました。ですが、それからまもなく1960年代の後半になってイギリスの医師マイケル・ラターが自閉症は生まれつきの脳障害と発表したのです。1980年代頃までは日本でも一般的には精神的なストレスのせいで自閉症になると考えられていました。

自閉症児(者)に必要な援助とは?

では、自閉症の人が地域社会で生活していくためには、どんな援助が必要なのでしょう?障害の程度によって援助内容は少しずつ変わってきますが、おおまかなものを紹介しましょう。

療育相談

療育相談とは子供心の発達や身体の発育についての相談です。臨床心理士という心理の専門家、福祉制度の案内や手続きのお手伝いをする社会福祉士、健康管理や生活面のお手伝いをする保健師などが相談スタッフとなっています。身体に障害をもつ子供には作業療法士がつき、訓練方法などを教えてくれます。

レスパイトケア

レスパイトケアは「地域支援サービス」の一つとして欧米で広く知られています。日本でも少しずつですが各地に広まっています。このサービスは障害児(者)を日常的にケアしている家族などの介助者が、体を休めて気分転換をするためのものです。また家族だけでなく、本人にとっても親や兄弟とひととき離れて、ほかの人と交流したり、宿泊体験ができるなど家族と一緒のときとは一味違った経験ができます。ショートステイもその一つなんですよ。

サマープログラム・レクリエーションプログラム

夏休みなどの長い休みになると、障害をもつ子供たちはどうしても家にこもりがちになります。そこでボランティアなどによるサマープログラムやレクリエーションが行われます。いろんな催し物を楽しみながら、地域の人ともかかわりを持つことができます。これらは療育の一環として行われることもあります。

職業訓練と雇用の機会

「支援センター」などでは障害者に対する無料の職業準備訓練の実施、個々の障害者に対応した職業訓練の研究、専門職員の養成研修、就職相談などを行っています。2002年からは就職活動から就職後のフォローまで支援してくれるジョブコーチ事業が全国で展開されています。

グループホーム

グループホームは病気や障害がある人たち、高齢者などが少人数で専門スタッフのサポートを受けながら一般住宅で生活するものです。重度の知的障害や自閉症などをかかえる人たち専用のグループホームもあるんですよ。とくに障害者によっては上手に利用すれば自立へとつながっていきます。

一人暮らしのサポート

さまざまなサポートを受けながら、一人暮らしをしている自閉症の人もいますよね。食事、掃除、洗濯、買い物など生活全般の支援が必要です。とくに金銭管理はできない場合が多いので注意しなければなりません。派遣されるヘルパーさんのほかに有償(または無償)で介助してくれるボランティアさんもいます。

このページをブックマークする